坐禅断食(その2)

※ この投稿は、2019年5月にFacebookに投稿した記事の再掲です。

坐禅・警策・経行を3日間で15回終えると「明けの食事」になる。

まずお椀いっぱいの白湯を頂く。その次に梅干しを入れた大根汁を梅干しをほぐして頂く。これはとてもおいしい。大根汁だけ飲んでみたが、これだけでもおいしいし、梅干しをほぐして入れるとこれまたおいしい。さらに生野菜が出てお味噌をつけて食べられる。3日目にしておいしい食事にありつける。至福の時間だ。

が、この至福の時間は長くは続かない。この「明けの食事」というのは、断食によって一応空になった腸内を更に洗浄するのが目的なのだ。梅を入れた大根汁は2杯目からは大根も一緒に食べなければならない。そして便通があるまで何杯でも食べ続けなければならないのだ。梅湯で刺激された腸は蠕動運動を活発にし、同時に摂取した大根や生野菜が腸壁に残っている残滓や古い粘膜をかきとっていき、それが排出されるまで梅干しを入れた大根汁を飲み続ける。早い人で3杯、遅い人は15杯くらい飲まねばならないそうだ。だいたい3杯目あたりから皆、苦しみ出す。僕もそうだった。幸い5杯目でめでたく排出が始まったが、その後、1時間半くらいで5回トイレに立った。他の参加者は身体を動かしたり散歩したりして排出を早める工夫をしていた。そして最後の1人が無事排出したときはみなで拍手喝采だった。感動の(笑)瞬間だ。

一度排出したら、次は、リバウンディングの防止と便意を収めるため果物、豆乳ヨーグルト、パン、チャイなどを頂く。豆乳ヨーグルトのボリュームがすごくて、最初これは食べきれないと思ったが、排出が進むにつれ、だんだん食べられるようになり、気がつけばすっかり平らげてしまった。

多くの参加者はこのへんでみな元気になる。2日目には吐き気がする、頭痛がするなど様々な症状で苦しんでいた参加者は排出が進むにつれ、どんどん元気になってきて、部屋の掃除やら食器洗いなどを楽しそうにしゃべりながら始めていた。

しかし、僕は違った。すっかり力が出なくなってしまった。立っているのも辛いほど。掃除を手伝ったが、掃除機をかける人が掃除をしやすいように座布団などをどかすだけでしんどくて座り込んでしまうほどだった。

「今まで溜め込んでいた疲れが表面化したんじゃないですか。」と同室の男性に言われたが、実際そうかもしれない。僕の場合それはありそうなことなのだ。普段の生活では絶対に見せないものが、坐禅断食では隠し通せなくなったのかもしれないと思っている。

坐禅断食は2泊3日だが、その後1週間かけて食事を自己管理せねばならない。いきなり通常の食事に戻すと、「明けの食事」で洗い流して粘膜が薄くなっている腸内を痛めるおそれがあるからだ。また徐々に食事を戻すことによって、少食を定着させる狙いもある。

僕は3回の断食体験から、ちゃんと断食をしようと思うならやはり1週間の期間をとるべきだという考えは変わらなかったが、仕事を持っている人にはやはり難しいというのも実際だ。2泊3日の坐禅断食は、自己管理をしっかりやるという前提で心身のデトックスを図る、とても効果的な方法だと思った。

(終わり)

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