「Fight or Flight」(その1)

※ この投稿は、2019年9月にFacebookに投稿した記事の再掲です。

ゲシュタルト療法ベーシック講座で、CFOを初体験した。CFOというのは、「クライアント(Client)、ファシリテーター(Facilitator)、オブザーバー(Ovserver)」の略で、要は受講生同士によるセッション体験である。

受講生3人一組で輪になってセッション体験するのだが、僕がクライアントになったとき、予想もしなかった体験をした。

今回のCFO体験は、1セッション15分という短い時間だったので、クライアントは「軽いテーマ」を出してセッションが消化不良にならないようにしようと決めてあった。そして僕自身も「大したことではない、特に自分として大きな問題と思っていない」テーマを出して、セッションが始まったのだった。

ファシリテーターは、Hくん。あけみちゃん講座での同期でもあり、4月からのベーシック講座も一緒に学んできた、お互いよく見知っている間柄だ。ただ、あけみちゃん講座も含めて一緒にセッションをしたことは今までなかった。

和室の片隅で、座布団をお尻に敷いて彼の前に座る。何か緊張する。

「あれ、セッション初めてだからかな、なんだか緊張するね~」と言いつつ、Hくんやオブザーバーと一緒に笑いながら和やかに始まるセッション。

僕が主訴を切り出し、Hくんがゲシュタルト療法の基本に忠実に、「そのとき身体の感じはどうですか?」「その感覚をしばらく感じてみましょう」と、僕に感覚、感情に意識を向けるよう促す。

最初「寂しい」という言葉が出てきた。
「では、その感覚を感じてみて下さい。」

僕は眉間にしわを寄せて、ロダンの「考える人」のように右手で額を支えつつ前屈みになる。

「今、何を感じていますか。」と促すHくん。

僕はこのとき動揺し、身体が小刻みに震えていた。頭の中では、何か本能的なものが湧き上がってきていて、その正体をつかもうと思考が高速回転していた。

「身体が小刻みに震えているんです。」
「そうですね。目も、まばたきがすごいですよ。」

いったい自分に何が起こっているんだ。
今思えば、あのとき軽い「パニック」に自分は陥っていた。

(その2)に続く