坐禅断食(その1)

※ この投稿は、2019年5月にFacebookに投稿した記事の再掲です。

週末、山梨県長坂の「ひのはる庵」で坐禅断食を体験してきた。野口法蔵さんが故・甲田光雄医師の意見などを聞きながら完成させた断食の手法で、「ひのはる庵」の松浦寿郞(ひさお)さんは野口法蔵さんに師事して坐禅断食指導を許可された方。在家居士ということで曹洞宗のお坊さんでもある。

断食の経験は3度目だが、坐禅断食は初めてだ。金曜日は自主的に朝から食事を摂らないようにして、夜に「ひのはる庵」に入り、さっそく坐禅・警策・経行(きんひん)を2セット行う。坐禅を20分行うと警策の時間になる。警策というのは、一般的には坐禅の最中に寝ている修行者を打つというイメージだが、ここでは坐禅の最後に松浦さんが全員の背中を左右に3回ずつ、計6回叩いて廻るのだ。「一種の激励と思って下さい」と松浦さんはおっしゃった。そして経行というのは一種の歩行である。坐禅部屋で全員が立ち、ゆっくりと半歩ずつ、呼吸を合わせて一周する。この「坐禅・警策・経行」合わせて1セット終了で、だいたい40分くらい。これを初日に2セット、中日に10セット、最終日に3セット行う。また朝は読経が入り、中日の午後は合掌行を行う。合掌行というのは、手を合わせて肩より上にあげたまま、般若心経を全員で唱えながら20分読経を続けるというもの。かなりの苦行である。僕はあけみちゃんのWSで50分やった経験があるので、まあなんとか耐えられた。

この合掌行のときだけは、人参りんごジュースがコップ1杯だけだされるが、坐禅の期間中は、柿の葉茶、水、白湯しか飲めない。いわゆる本断食だ。僕の過去2回の経験は、断食中に酵素ジュースやおすましなどが出される半断食だった。そのせいかどうかわからないが、今回は初日は余裕で過ごせたが、2日目のお昼あたりから頭痛、目痛、表現しようのない身体のきしみなどを感じ、夜まで続いた。3日目にはほぼ症状は消えたが、エネルギーがダウンしている感じではあった。

3日目の午前10時前には計15回の坐禅・警策・経行を終え、やれやれとなる。あとは「明けの食事」を頂いて解散だ。

だが、坐禅断食の本当の苦行はこれからだったのだ。

(その2)に続く