※ この投稿は、2019年7月に、Facebookに投稿した記事の再掲です。
舞衣ちゃんと目を合わせたまま、つまり舞衣ちゃんとつながったまま、僕たちは絶望の闇を堕ちていった。
堕ちて、堕ちて、堕ちて・・・どこまでも深く堕ちていったら、宇宙空間のようなところに浮かんでいた。
「浮かんでるねえ」と、舞衣ちゃんが言う。
僕が口にしなくても舞衣ちゃんには同じものが見えているようだ。
僕は舞衣ちゃんと目を合わせていたが、舞衣ちゃんの目以外の視界がぼやけていることに気づいていた。色味が薄くなっていて、焦点も合わない感じ。視界自体も狭まっている。僕の視界から世界が消えかかっているか、世界から僕自身が消えかかっている感じだ。
「深い、深い悲しみ。そして絶望があるね。」と舞衣ちゃんがつぶやく。
「ちょっと触るよ。」といって舞衣ちゃんが手を伸ばす。
物理的には触れていない。僕に向かって手を伸ばしただけだ。
そしてその手が何かをつかんで、僕のハートから引き抜くような仕草を2回した。そして再び僕のハートに向かって手を伸ばした。
すると胸が温かくなり、眠くなってきた。
「寝ていいよ。」と舞衣ちゃんが言う。
一瞬寝落ちして、僕の頭がかたんと落ちた。
そして世界が変わった。
(その3)に続く