金色の宇宙人(その2)

※ この投稿は、2019年7月にFacebookに投稿した記事の再掲です。

(その1)からの続き。

「その拒絶の感情、諦めの感情をはじめて感じたときに遡って下さい。」

ええ?さらに遡るの?
何か出てくるのだろうか?と、いぶかりながらも、とにかくただ感じるままに任せた。

すると暖かい闇の中に自分がいる感じがした。

「暖かくて身体がふわふわしていて、宇宙空間のような、でも星が見えない。そうでないような。どこだかわかりません。」

「生まれる前のような感じですか?」

「そんな感じです。そして生まれるのを嫌がっています。これから(生まれてから)起こることがわかっていて苦しみたくないのです。」

「そのときどんなことを信じていますか。」

「生まれてきたらきっと苦しむ。だから生まれたくない。」

あぁ、やっぱりそうなんだ。僕は生まれてきたくなかったんだ。僕の人生は悲しみに縁取られている。生まれる前からわかっていたんじゃ、そりゃあ、嫌だよなあ。

「でもまさおちゃんは生まれました。生まれてきたくなくても生まれると決めたときに遡って下さい。」

哀愁に浸っていた僕の横っ面をはたくようにあこちゃんが言った。まだ遡るの?そんなこと可能なのか?湧き出る疑念は脇において、とにかく言われるままに感じてみた。

それまで何度遡っても、しかめっつらか苦しい顔しかしていなかったと思われる僕だが、初めて自分がわくわくして顔が笑っているのに気づいた。

「荒唐無稽だ!でも・・・今、見えているままを言います。」

(その3)に続く。