続・Figtht or Flight ~権威への反発(その2)

※ この投稿は、2019年10月にFacebookに投稿した記事の再掲です。

その1からの続き)

カウンセラーは言う。
「まさおちゃんは、権威のある人に敵意と反発心を感じるのですね。今までそのような経験がありましたか?」

「生まれて気がついたときから、アンチ主流派でした。野球で言えば、巨人軍は大嫌いで・・・。」といろいろ事例を持ち出す僕。

「すると、まさおちゃんは権威をひけらかす人に敵意を感じるのですね。」

「・・・いや~、権威をひけらかす人って偽物ですよね。単に不安の塊が権威を笠に着て自分の不安を隠しているだけ。敵意どころか『小さいな(毒笑)』って感じます。」

「本当の権威者ってのは、相応の努力をして周りから認められるようになったから権威者なのであって、尊敬に値する・・・あれ?なんだか最初に言ってたのと言ってることが違ってきたぞ?」

敵意や反発心はどこへやら。権威者をほめはじめた僕。

「提案なんですが『権威』を感じてみませんか?目をつむってもらって、僕が後ろから『権威』をまさおちゃんの肩に載せてみますから。」

目をつむって待っていると、背中に折りたたみ椅子か何かを載せて、上から押さえつけているようだ。当然重みは感じるのだが・・・。

「・・・あれ?重さは感じますが、暖かさと柔らかさも感じて、むしろこれがあると守られているようで安心感があります。」

もう「権威」にも「権威者」にも敵意も反発心も感じなくなっていた。

「今、まさおちゃんの目の前に、権威のある人がいたら、どんな感じがしますか?」

「え~と、近寄って行って話をしたい感じがします。出来れば意見交換とか出来るといいなと思います。」

セッションの途中から勝手にビリーフが解けてしまったようだ。僕は「権威」を誤解していた。もしくは「本物の権威者」と「偽物の権威者」を混同していた。「本物の権威者」は、権威をひけらかしたりしないし、むしろ謙虚で努力家のはずだ。その結果、自分から名乗るのではなく、周りから「権威者」と認められるのだ。

身体が変調をきたすくらいの敵意と反発心を感じていた「権威者」だったが、セッションが終わってみれば、自分も頑張って身にまといたいくらいの「すばらしいもの」に変わっていた。

あれは何だったの?と自分で自分を笑う。

だから、カウンセリングは面白い。

(終わり)